滑落と救助(単独の場合)
あたりまえの事だけど、備忘録としてメモ。
山中で滑落遭難があった場合、最悪の状況に至るまでには2つのパターンに分けられる。
①発生→衰弱→死亡
②発生→即死
滑落により「死亡」する直接的な原因は全身打撲といった外傷によるダメージ。
滑落した時点で、運が悪ければ即死だが、運が良ければ、まだ生きているかもしれない。
もし、滑落してしまった場合、単独遭難者はどのような流れで発見・救助されるのか。
①「家に帰らない」と家族から通報がある
②たまたま他の登山者に遭難の現場を目撃される
③自力で救助要請
①家族から通報がある
もちろん、これは家族に行き先を伝えている事が大前提である。
このような連絡を怠ると、全てが謎に包まれるので、山域も分からず捜索が1ヶ月以上などの長期に渡る可能性が極めて高くなる。(登山届けの大切さが良く分かる。)この場合は山岳保険に加入していたとしても補填金額の上限は簡単にオーバーしてしまう。
②他の登山者が通報してくれる
完全に「運」だ。
たまたま他の登山者が遭難の瞬間を見て通報してくれたら、幸運だと思って良い。
③自力で救助要請
ひとまず挙げたが、実際のところ、自力で救助要請した例を今のところ私は知らない。
あくまで推測だが、衰弱している状況では自力で救助を求める事は難しい。気を失っていれば尚更だ。
転落・滑落すると、基本的に谷底に向かって落ちていく。稜線付近で電波をキャッチ出来れば良いが、最悪の場合は電波も届かないだろう。
もし自分が単独行である場合、救助は①の方法に頼る事を理解しておく必要がある。
実際のところ、このケースは多い。
しかし、たとえ家族が通報してくれたとしても、「遭難発生」から「救助」までには、必ず、数日程は空いてしまうのが現実だ。
グループ登山では、必ず目撃者がいる。
誰か一人でも命の危機に直面すればメンバーが救助要請を行い、早くてもその日のうちに救助する事が可能なのだ。
外傷によるダメージを受けている場合は、スピードが大切な事は分かるだろう。
本人が衰弱している状況の中でその数日の差はかなり影響があるのではないだろうか。
単独行をする場合は、もしもの時のリスクが極めて高いのだ。
単独で山に入る場合はそういったリスクを理解する必要がある。
転落・滑落が多発している山は控えるべきだ。
また、絶対に「油断」しないこと。
スリップしないかを慎重に見極めながら歩く。
そして「道迷い」に充分気を付けること。
不安になったら引き返す事は大切だ。
私自身も単独で歩いていた時に、一度滑落した事がある。運良く大事にならずに済んだが、原因は道迷い(ルートミス)だ。
その時は「油断」していたし、考えが浅はかだった。
通行止めになっているコース上での出来事であり、完全に自業自得だ。
叱られて当然の事をしてしまった。
二度と同じ過ちを犯さないように気を付けたい。