Wakaの週末ハイキング- 山の歩き方 -

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登山における天気予報〜天気図を読む〜

登山を行う際、天気予報は調べるだろうか。

悪天候を避ける為にも、快晴の中展望を楽しむ為にも、天気予報を調べる事は重要である。

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↑GWの大キレット・槍ヶ岳

 

しかし、たまに想像とは違う天候に見舞われる事もある。

どうすればより正確な天気を知る事が出来るのか。

それは、有能な気象予報士になるしかない。

しかし、より正確な天気「予報」を知る事なら、特別な勉強をしなくても出来る。

今回はその忘備録である。

 

※あくまでも私見です。個人のひとつの考察に過ぎないので、参考程度に読んでください。(この記事は忘備録です…。)

今回はスマホアプリからの投稿の為、色々と融通が効かず、見辛い投稿となっています。

 

【実例】

以下の写真は、2019年12月23日(月)10時頃の鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳方面の様子だ。八方尾根から撮影している。

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事前にこの天気が分かっていた場合、果たして登りに行こうと感じるだろうか?

 

【天気とくらす】

無料で最も手軽な登山天気予報サイト「天気とくらす」では、どのような予報が出ているのか。

以下、前日の21時時点での予報だ。

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↑天気とくらす 唐松岳の天気

https://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/kad.html?code=20150048&type=15&ba=kk

 

日中はA判定。登山に適している天候とされている。

しかし、先程の写真で分かるように、実際の稜線はガスで覆われている。

正直なところ、A判定であれば、もう少し晴れ渡った青空を想像しないだろうか?

 

しかし、これはあくまでも「予報が外れた」という訳ではない。今回の天気は、「天気とくらす」の範囲外の要素が含まれていたのだ。

 

【天気とくらすで分かる天候とは】

「天気とくらす」とはどんな天気予報なのか。

 

以下は、「天気とくらす」における登山指数の説明である。

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↑天気とくらす 登山指数について

 

・山頂付近と麓付近の天気は異なる可能性がある

・高度別の値(風速や気温)は、地形や日射により値が大きく異なる可能性がある

この2つに留意しておく必要がある。

説明の最後にも「十分ご注意ください」とある。

 

そして、登山指数について。

「風または雨が強く〜」という文章。

つまり「天気とくらす」は、「雨・雪」の程度、「風」の程度によって登山指数の判定を行なっている事になる。

 

そして「雨・雪」は、おそらく麓の天気予報を利用している。

 

以下は、12月23日の白馬村の天気である。

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↑日本気象協会 白馬村の天気

https://tenki.jp/forecast/3/23/4810/20485/

 

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↑yahoo!天気 白馬村の天気

https://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/20/4810/20485.html

 

日中は曇り、18時頃から次第に降雪予報となっている。

Yahoo!では21時は雪予報だ。

この時点で「天気とくらす」でも、夜の予報が「C」となる確率が高くなる。

 

標高別の気温や風速は、気象庁の数値計算結果を参考にしているとある。

気象庁のどの情報なのかは分からなかったが、この計算結果自体は「天気とくらす」以外でも調べる事が出来る。

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↑日本気象協会 唐松岳の天気

https://tenki.jp/mountain/normal/3/23/1605.html

 

登山において、「強風」と感じるのは風速15m/s辺りからではないだろうか。

 

標高3,000m時点は15m/sである。

確かに強風であるが、標高3,000mというと、ほぼ山頂の高さだ。

歩く事を考えると、標高2,000mを参考にした方が良いだろう。こちらは7.4m/sだ。

それなりに風は吹いているが、許容範囲だろう。

 

以上2点で、「天気とくらす」は登山指数を判断している。

今回は、天気にしても、風速にしても、日中は特に酷い訳ではないので「A」判定となったのだろう。

 

【悪天の要因】

今回、唐松岳において、天候の優れない要因となったのは「気圧の谷」である。

これは、麓の天気予報と、風速を調べるだけでは判断する事が出来ない。

自らの目で天気図を確認しなければ分からない事である。

 

「天気とくらす」は、とても便利なサイトである。無料で山の天気予報を閲覧出来るとは、ありがたい事だ。

しかし、当サイトでも言っている通り、情報の利用には十分注意する必要がある。

無料で提供出来る情報には、やはり限界があるのだ。

情報が不足している部分は、自分で補完しなければいけない。

 

【チャンスを逃す事も】

余談であるが、「天気とくらす」では、どれだけ「晴れ」ていても酷い強風であれば、予報は「C」となる。

あくまでも判定基準は「風または雨が強く〜」だからだ。

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2019年1月19日の乗鞍岳。快晴だが、稜線は爆風だった。「天気とくらす」は1日中C判定だったのを覚えている。

爆風が許容出来るかどうかは本人次第である。

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位ヶ原までの樹林帯は風の影響無し。C判定でも、場所を考えれば充分楽しめる。

 

【ヤマテン】

次は、ヤマテンの天気予報を確認してみる。

 

この予報は有料となるが、自動計算による予報ではなく、気象予報士自らの経験と知識によって発表された予報文を読む事が出来る。

勿論、天気図も読んだ上での発表である。

合わせて、高層天気図を閲覧する事も可能だ。

こちらはヤマテン独自のもので、見易く工夫されている。

 

(ヤマテンの画像については、今回ブログに掲載するにあたり許可を貰っています。)

 

唐松岳の予報は無いので、白馬岳の予報を参考にしている。

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↑ヤマテン 白馬岳の天気

https://i.yamatenki.co.jp/smartphone/

 

23日は「気圧の谷」が接近する。と表記されている。

 

以下はヤマテンの予想天気図である。

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ヤマテンでの予報文を、この天気図を利用して確かめてみる。

 

まず、文章では「日本海側に気圧の谷が〜」とある。

ここでいう「気圧の谷」とは、低気圧が高気圧側に細長く張り出している部分の事を言う。

(「気圧の谷」と呼ばれるものは、2通りある。まずは地上天気図上において、低気圧から高気圧側に張り出している部分の事や高気圧と高気圧の間の、鞍部のようになっている部分の事。もう一つは高層天気図において偏西風の風速差によって発生してしまう気圧が低い部分の事。こちらに関しては、小難しい上に長くなるので割愛。気になる方は次リンクより。分かりやすく説明されている。→https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12154698712

 

このヤマテンの天気図では、太平洋側に低気圧がある。(等圧線が円形になっていて雨雲を纏っている。)

その低気圧から日本海側に向かって等圧線が張り出しているのが分かるだろうか。

この歪曲部が、「気圧の谷」である。

その影響で日本海上に雨雲が発達している。(あくまでも予報の雨雲だが。)

「唐松岳」も、この「気圧の谷」に近い場所にあるので、悪天の影響を受ける可能性が大いにあるという事だ。

 

【因みに】

等圧線の混み具合を見る事で風速が分かる。今回は特に気にするほどでも無い。

参考までに、令和元年台風19号ハギビスの予想天気図を載せておく。

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【気象庁】

次は気象庁の「数値予報天気図」を調べていく。

https://www.jma.go.jp/jp/metcht/suuchi

 

気象庁の天気図の中で

「極東地上気圧・風・降水量/500hPa高度・渦度予想図」

を参考にしていく。

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↑気象庁 数値予報天気図

https://www.jma.go.jp/jp/metcht/suuchi.html

 

二段目は、「極東地上気圧」だ。いわゆる地上天気図の極東バージョンといえる。

これは日本における12月23日9:00時点の予報である。

(この天気図自体は、世界共通の時間で2019年12月21日12:00時点の測定結果である。予報しているのは36時間後(23日00:00時点)だ。日本の時間に直す為に9時間足す必要がある。)

 

日本海付近に注目すると、顕著な「気圧の谷」があるのが分かる。

 

また、もう一つ気象庁の「予報天気図」。こちらでも、同じように確認する事が出来る。

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↑気象庁 予報天気図

https://www.jma.go.jp/jp/g3/

 

【まとめ】

もし、ここまで調べて「悪天である」事が予測出来たとしたら登りに行こうと思うだろうか?

 

この「悪天」は、ただ天気予報を調べるだけでは、分からないものである。

そのため、天気図を読むという事が非常に大切になってくる。

より正確な天気予報を知りたいならば、活用するべきだ。

 

特に雪山登山においての天気は、命に関わるものだ。

天気図を読めば、そのリスクの程度を理解する事が出来る

南岸低気圧であれば高確率で雪崩が発生する。

500hpaの高層天気図において-36°以下の寒気が降りていれば大雪である。

一括りに暴風雪といっても、どれくらいの程度なのか。本当に酷いのか、まぁ耐えられるレベルのものなのか。

弱い冬型であれば、雪山は絶好のチャンスである。

夏であれば、高層相当温位というのを調べればゲリラ豪雨の危険性もある程度予測できる。

 

そして、何より天気図を見ると「事の重大さ」を実感出来る。

台風や南岸低気圧、冬将軍にしても、ニュースで報道される。

しかし、その規模はどれくらいなのか?

今年1番とはどれくらいなのか?

それは天気図で、自分の目で調べれば一目瞭然である。

日常生活においても、公共交通機関にどれほど影響が出るのか予想出来る。

 

天気図は難しいイメージが先行しがちだが、素人にも読める簡単な部分もある。

登山においては、その「簡単な部分」が分かるだけでもかなり有利だと思う。

 

正しく天気予報を理解し、安全登山に活かす。そして、貴重な登山のチャンスを余す事なく掴みたいものだ。

 

【ヤマテンのすすめ】

もし、自力で天気図を調べるのが大変と感じるのであれば、やはりヤマテンがオススメだ。

何も分からなければ、まずは気象予報士の予報文を読む。余裕があれば高層天気図を読んでみると良い。

私も、最初の頃は、天気図を読むのは難しいイメージがあり食わず嫌いをしていた。

しかし実際読んでみると意外と分かる。(勿論、本当に初心者レベルの知識だ。)

ヤマテンを初めてからは、少しずつ天気に対する苦手意識も克服してきている。

 

※年末年始やGWなどは、ヤマテンの予報を無料配信している事がある。ぜひ活用してみると良い。

↓日本山岳会にて配信している

https://jac1.or.jp/event-list/201706162043.html

 

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↑晴れた日の雪山は本当に素晴らしい。