乗鞍岳 ホワイトアウトの位ヶ原でBC
寒波、南岸低気圧の接近する週末、2月9日(土)に乗鞍岳の位ヶ原で山スキーを楽しんできた。
日 時 2019年2月9日(土)
山 域 乗鞍岳 位ヶ原
目 的 バックカントリースキー
コース
9:20ゲレンデトップー11:10位ヶ原山荘分岐ー12;15肩の小屋口トイレ(ドロップポイント)ー12:40位ヶ原山荘分岐ー13:10駐車場
標高差 1,033m
累積標高 (上り)712m・(下り)1,100m(スキー滑降含む)
人 数 2人
天 気 朝は高曇り、次第に風雪
本来は白骨温泉から十石山へ向かう予定だったが、早朝に付近まで向かうと、先日の雨と気温上昇による全層雪崩があちこちで見られた。
この調子では十石山は藪だらけで大変だろうという事で、当日の朝予定変更して標高が高く影響の少ない乗鞍岳へ行く事にした。
乗鞍スノーリゾート
いつもの駐車場に到着。始発リフトに乗り9:20ゲレンデトップへ。
準備していたら、シールを貼り付けている所を撮影していいかと聞かれたので承諾した。すると↓のサイトにちゃっかり私たちが登場していた。
「2月9日(土)速報 - そのほかの画像」という所だ。
ツアーコース
いよいよ出発。既に空はガスガスで朝まで見えていた乗鞍岳は姿を隠してしまった。
雪のチラチラと舞う中、ツアーコースを登って行く。
先日の雨により、雪面はガリガリになっていて、初心者の私には歩きづらく感じた。
ツアーコースの序盤にある急登。核心部とも言える場所。
先を歩いていたバックカントリースキーヤーがその急登が登れずに悪戦苦闘していた。
シールで登るが、ガリガリと滑っている模様。
私と一緒に来ている山仲間は特に苦戦する様子なくさっさと登ってしまった。
対して私は・・・。
絶対に進退窮まると予想がついたので、早々に板を脱ぎ、ツボ足で登る事にした。
キックステップで登るが、新雪の奥にある雪が硬く、つま先も少ししか刺さらない。
その後も微妙にトラバースしなければいけないのだが、神経を使った。
つるっと行かないように、なるべく雪の積もっているところを選んで歩いた。
核心部突破。先に登った山仲間をだいぶ待たせてしまった。
まだまだ、山スキー技術が至らないことを痛感した。もっと上手になりたい。
気を取り直して先へ進む。
乗鞍に降る雪は乾いていて軽く、上質の雪であるが、シールで登るにはサラサラすぎて少し難しい。途中ずるっと行くが、一歩一歩ゆっくりではあるが慎重に登って行く。
位ヶ原
位ヶ原手前でクトーを装着した。
ついでにバラクラバ、ゴーグル、ヘルメットも装着する。
位ヶ原からは樹林帯を抜けるので、急に風が強まる。
今日は、スノーシューや他にもバックカントリーの方々がいたが途中で撤退していった。
私たちも無理はせず、本日は乗鞍岳へ向かう途中にある肩の小屋口のトイレまで行き引き返す事にした。
びゅうびゅうと強風が吹き、時折前を歩く山仲間の姿が消える。
雄大な乗鞍の山々は白い雪に包まれどこにも見えない。
位ヶ原は強風に磨き上げられアイスバーンになっていた。
クトーなくてはとても進めたものではない。
肩の小屋口トイレ
12:15、肩の小屋口トイレに到着。
小屋陰で滑走準備を行う。
相変わらず風は強い。雪山ではスピーディーな行動が求められる。
私も以前よりはテキパキと動けるようになったと思う。
滑降開始
滑走は私が先頭を行く事となった。
山仲間は滑りが上手いので私を後追いする事になった。
その順番の方が、このホワイトアウトの中、離れ離れになる可能性は低くなる。
無線の電源も入れ、もしはぐれた場合に落ち合う場所を決めておく。
最後に改めてGPSで現在地と進行方向を確認する。
12:25、滑走開始。
アイスバーンと新雪がミックスされた雪質であるが、斜度が無いため、手に負えるものだった。慎重に滑って行く。
後ろを振り返ると山仲間がこちらに向かってくる。
再び私も滑走再開。少々右方向に向かおうとすると、ふと目の前の雪に違和感。
よく見ると、1.5m程の段差。
この悪天の中、空も雪も同じ白で非常に分かりづらかった。
たまたまゆっくり滑っていたから落ちずに気づくことができた。
段差を右手に見ながら滑って行く。段差が低くなったところで、無事に右方向に移動することができた。
位ヶ原の樹林帯まで無事に到着。
山仲間ともはぐれずに済んだ。
ツアーコースは快適なパウダーでサクサクと進んで行く。
ここを滑るのは3回目だが、これほど楽しく滑れたのは初めてだったかもしれない。
が、枝にストックを持ってかれたり、藪に突っ込んだりして少々難儀してしまった所もあった・・・。
13:10無事に駐車場に到着。
今回のまとめ
今回はホワイトアウトでのスキーとなった。
その中で強く思った事。
・・・当たり前の事かもしれないが山行に行く前に必ず予習するという事だ。
山行中に仲間とはぐれるリスクというのは意外と身近にあることが分かった。
そんな状況に陥ってしまった時、地形も理解していない、人については行くだけの人間であればすぐに遭難してしまうと思う。
一緒に行動した山仲間はとても心強いがそれにオンブにダッコではいざという時に何もできない。
私もなるべく勉強するようにしているが、余裕がなくなると、人任せになってしまう事がある。
いつでも緊張感を持って、パーティーでも単独でも同じくらいの覚悟を持って、今後も山に登りたいと思う。