幻の花キタダケソウを見に行ってきた〜北岳・日本アルプスデビュー編〜
私の初めての日本アルプスは、 日本標高ランキングNo.2である「北岳(3,193m)」
山岳会に入会した当初、先輩が初めて登るなら是非「北岳」に連れて行きたい。と話していました。
「北岳」には山の魅力が凝縮されている。
そんな話を聞いて、私もワクワクが止まりませんでした。
日程:2016年7月2日(土)〜3日(日) (1日の夜出発)
目的地:広河原〜左俣〜北岳山荘〜北岳〜草スベリ〜広河原
目的:「キタダケソウ」を見に行く
天気:1日目曇りのち晴れ(稜線へ上がると晴れた)2日目暴風雨。
メンバー:3人
山岳会の先輩と、富士山に30回以上登っている女の先輩(北岳は7回目)ベテラン2人です。
レアな高山植物を見に行く
今回の目的は「キタダケソウ」を見に行くこと。
キタダケソウは、北岳にしか咲かないレアな花です。
しかも開花時期が非常に短く、6月中旬から7月上旬までの約3週間しか咲きません。
山岳会の先輩がどうしても私に見せたいと言っていました。
それほど魅力的な花だそうです。
そして7月1日。
まだ梅雨も明けきらない頃、私にとって初めての日本アルプスに登ってきました。
ついに出発!
7月1日夜。自宅出発です。
この日をずっと楽しみにしていました。
どんな景色が広がっているのか、全く未知の世界です。
今回のルートです。
1日目:広河原〜左俣〜北岳山荘(小屋泊寝具付)
2日目:北岳山荘〜北岳〜肩の小屋〜草スベリ〜広河原
オレンジ線が1日目。青線が2日目です。
初の「山と高原地図」を購入してルートチェック。
地図を見てもどんなところなのか全くもってイメージが湧かない。
「八本歯のコル」もなにそれ?という感じです。
とりあえず今回は先輩に一生懸命ついていかなければ。という感じです。
前日に芦安駐車場まで入り、テントを設営、朝まで仮眠します。
初めて使うシュラフ。何から何まで新鮮です。
高揚感がすごい!
翌日、始バスで北岳の登山口である「広河原」まで向かいます。
朝5時だというのに、人が多くてびっくりです。
山の格好をした人たちがたくさん。
地元だと山の格好をした人は全然いません。
でもここは違う。完全に山の世界で、山好きの集結している場所でした。
皆んな同じような志を持ってここに居るんだな。と思うと、嬉しくなりました。
いよいよ北岳へ
そして入山です。
北岳にはどんよりとした雲がかかっています。
まずは、沢沿いを歩きます。その涼しさに驚きました。
7月だということを忘れるほどに快適です。
途中、雪渓を登ります。
背後の山は何?と聞くと「鳳凰三山だよ。」
何度も振り返りながら歩きます。
とにかく素晴らしい景色でした。
北岳バットレスを登るクライマー
カッコ良いです。
八本歯のコルに向かって、木のはしごを登ります。
次第に息が切れてきます。
八本歯のコルから。
ハクサンイチゲと間ノ岳の稜線。
あまりの雄大さに感動しました。
この景色を見ることが出来て本当に良かったです。
八本歯のコルと富士山。
それにしても稜線が美しいです。
何度も撮影してしまいます。
こんな景色を見たら誰だって山が好きになるんじゃないかと思います。
ちょっとした難所。
アルプスデビューの私はおっかなびっくりでした。
そして、ついに「キタダケソウ」を発見しました!
なんだか小さくて、元気がありません…。
キタダケソウは、ハクサンイチゲと似ています。
葉っぱが「パセリの葉」みたいな方が「キタダケソウ」です。
↓ハクサンイチゲです。(紫のお花はミヤマオダマキです。)
間ノ岳とハクサンイチゲ。
クロユリ。
ミヤマムラサキ。
北岳の稜線には驚くほどたくさんのお花がありました。
それは、人の手で埋められた訳ではなく、自然とそこに生えてきたのです。
こんなに綺麗な花なのに誰の力も借りず、自生しています。
他にもたくさんのお花が咲いていました。
(また今度、記事を別にして全部載せたいと思っています。)
山岳会の先輩が、高山植物が大好きで、横でずーっと花の名前を教えてくれました。(笑)
おかげさまで、私も名前を覚えることが出来ました!
ついに北岳山荘が見えました。
稜線にただ一つ、ポツンと建っています。すごいところにある。
初めての小屋泊
ついに北岳山荘に到着です。
今回は小屋泊&寝具付きです。
夜ご飯は自炊です。カツ丼を作りました。
山で、作るのは初体験です!
カツは出来合いのものを持ってきました。
材料を担ぎ上げたのは富士山のプロの女の先輩です。
完成です。
ここまで、凝ったものを作ったのは初めてかもしれません。
あまりの美味しさに感動です。
ここで、単独のお兄さんもいらっしゃったのですが、その方はカインズホームで購入したという600円のフライパンで調理していました。
アウトドアグッツを買わなくても、こういったものでも代用できるとのこと。
多少重さはあるものの、安価でなかなか良いアイデアだと思いました。
工夫すればいろんな道具を山に流用できそうです。
↓多分これ使ってました。
ガス火用 ダイヤモンドコート目玉焼きフライパン14cm YE(14cm): キッチン雑貨・キッチン用品ホームセンター通販のカインズ
小屋は結構混んでいました。私たちは屋根裏部屋に寝ました。
ほふく前進で寝床まで進みます。
なかなか寝付けず、次回から耳栓を持って行こうと固く決意しました。
山の厳しさを知る
翌日は、昨日と打って変わって強風の荒れた天気模様。
最初は風だけだったのですが、次第に暴風雨になりました。
こんなにレインウェアが大活躍したのも初めてです。
低山だと雨が降れば帰ることができますが、ここは標高3,000Mの世界。
帰るに帰れない状況の中で、レインウェアがどれだけ大切か分かりました。
本気で吹っ飛びそうなところは、稜線上のちょうど鞍部になってる場所です。
先を行く男性の登山者も苦戦しており、立っていられず岩にしがみついていました。
タイミングを見計らい、風が弱くなった瞬間進みます。
風は、右側から吹き付けていたので、右側に思いっきり重心を傾けて歩きました。
こんなに強風の中でも、素晴らしいお花畑がそこかしこに。
ついつい足を止め、撮影タイムに入ってしまいます。
花たちの動きが速すぎて捉えることができません。
こんなに暴風雨の中でも強くたくましく、可憐に咲く高山植物は本当にすごいです。
花びらひとつ、散りません。
この生き様は私も見習いたいです。
ついに北岳山頂に到着です。
周りはガスガスで全く見えません。
晴れていたらどんな景色が見えるのでしょうか。
そして、北岳肩の小屋の近くで、生き生きとしたキタダケソウを1株発見!
最後の最後に見れて良かった…。
草すべりを通り、白根御池小屋で「白桃ソフト」を食べて下山完了です。
アスファルトの上に立った瞬間、ものすごい熱気が襲ってきます。
暑い。ものすごく暑い真夏日。一気に現実世界に引き戻されました。
また明日から会社。夢のような2日は終了です。
今回のまとめ
初のアルプスデビューは、私にとってとても刺激的で、楽しい2日間でした。
ずっと憧れていた稜線歩き、満開の高山植物、山小屋泊。
2日目は天候が急変。暴風雨の中を歩きました。
北岳が、私に「山ってこういうところなんだよ。」と教えてくれたような気がします。
遡ること、1年前。
初めて富士山に登った時に「もっと他の山にも登ってみたい。」と感じるようになりました。
そして今回、やっぱり山っていいなと感じました。
知れば知るほど面白くなるこの世界。
あの時、山の魅力に気づくことが出来て良かったです。
この世界に仲間入りすることが出来て私はラッキーです。
連れて行ってくださった先輩方にも大感謝です。
先輩方の思惑通り、私はさらに山が好きになりました。
最高のアルプスデビュー!これからもいっぱい楽しみます。