ダンロップテント VS-20(お気に入りの道具)
私の相棒は「ダンロップテント VS-20」(2人用)だ。
この「ダンロップシリーズ」は、他メーカーのテントに比べると使っている人は少ない気がする。しかし私はこのテントが大好きだし、一番だと思っている。
2017年8月末にamazonで購入してからは、大切な相棒として私を支えてくれている。
ちょうどこの前の山行で写真を撮ってきたので、その魅力をまとめてみようと思う。
購入したきっかけ
私がこのテントを購入しようと思った理由は、山岳会の先輩が使っているのがきっかけだ。
先輩はダンロップテントの6人用と2人用を持っている。
山岳会で山へ行くたびにそのテントを持って行くのだが、ダンロップテントには他のテントには無い、ある特徴があるのだ。
それは「吊り下げ式テント」であること。
ポールを組み立て、フックにパチパチと引っかければすぐにテントを設営することが出来る。
そしてもう一つ、「頑丈な生地」であること。
20年間も使っていて、一度も破れた事が無いそうだ。
グランドシートを使っているのか聞いたら、「そんなものは使った事が無い。」そう。
ちなみに、20年前のダンロップテント(6人用)は本体が青とオレンジのツートンカラーである。涸沢で若いお兄ちゃんが、「あれどこのテントだ?かっこえ〜。」と言っているのが聞こえてきた。
今のダンロップは残念ながらツートンでは無いが、その言葉を聞いて内心得意気になってしまった。
山行を通して、先輩の持つダンロップテントを間近で見てきた。
この二つの特徴が、他のテントにはないダンロップの大きな強みになっている。
いつの日か私は自分がテントを買うことになったら絶対にダンロップテントが欲しいと思うようになった。
初のマイテント
そして、2017年8月25日、マイテントを購入した。
まさしくこれだ。
ダンロップテントの設営方法
実際のダンロップテントは一体どんなものなのか?
私なりの組み立て方をまとめてみる。
(2018年12月、初めて強風、低温でのテント設営を経験した。正直、大変で、小一時間掛かってしまった…。まだ完璧な手順とはいえませんが防備録として、その経験もまとめます。)
①四隅のペグ止め
まず、一番に行うのは、本体を広げて四隅にペグを打つ。
強風時:風向きと逆方向になるようにテント入り口を配置。本体を広げた瞬間にテント内最奥に登山ザックを入れる。重さが足りないのでテント内に石を並べる。
四隅はペグだけでなく、細引きを使用して大きな石で固定。
先にペグを打ってしまうことで、強風時に本格的に飛ばされる可能性が低くなる。
※今回、私はテント入口を風向きとは逆方向に設置したが、ダンロップテントの入口は、出入りしやすいように広い面に存在している。
私の設置向きだと、風の抵抗を広い面で受けることになり、テントの負担が増している気がした。
極力、風圧を受ける面積を最小限にするべく、ダンロップテントの場合は、入口を風向きに対して左右どちらかにくるよう、配置した方が良かったかもしれない。
②ポールを起こす
ポールを組み立て、2本を隅の袋に差し込む。
ポールはショックコードタイプになっているので連結させるだけだ。
強風時:暴れるテントをキャッチして穴に差し込むまでは少し難しかった。
ポールのもう片側、飛び出している方を持ち、こちらも袋に差し込む。
ペグが打ってありテントが固定されているので1人でも簡単に差し込むことができる。
③フックを引っ掛ける
天井トップにあるフックをまず初めに引っ掛ける。残りもパチパチと引っ掛けていく。
強風時:天井トップのフックを引っ掛けるまでが勝負。風圧で押し潰されているテントを最大限の腕力をもって持ち上げる。
写真を見ると、ポールと本体の隙間が広い。実はこの構造は結露対策のポイントになっている。
外見はこんな感じ。
強風時:ポールを立てた瞬間、驚くほどにテントの形が変形。細長くぺったんこになっている。テントの下に風が入り込んで、軽く浮かんでいた。
※テントの向を90度変えたら直っていたかもしれない。
④フライシートの固定
続いてフライシートを被せる。
フライシートの裏に紐がある。
ポールの、フックがかかっている場所より下部とリボン結びで縛る。
強風時:なるべくフライシートがずれないようにする為にも結んでおいた方が都合が良い。フライの細引きが上手く張れない原因になってしまう。
各面のフライシートのバランスが良くなり、結露対策にもなる。
※一番最初の写真を見てもらうと、ダンロップテントのフライの細引きとポールの位置がズレている。リボン結びをサボるとこのようになる・・・。
フライシートと本体をバックルで繋げる。
このバックルはグローブをはめていても出来るのが便利だ。
その後、フライシートの四隅+三つの面の中央部+入り口(計8箇所)をロープで張る。
強風時:風が吹き付けてくる面から、なるべく大きい岩を使用し張る。こちらの面から優先して張ることで、強風によるペシャンコ状態がおさまってくれた。
⑤完成
完成形態がこちら。
見た感じ、フライシートと本体がくっついているように見えるが、吊り下げ式テントは、フライシートと本体の隙間が広くなっているので、全く接触はしていない。
天井はこんな感じだ。
強風時:不安だったのでテント内の風の吹いてくる面に石を並べたまま過ごした。
また外にも石を並べ、テント下に風が入らないようにする。
ダンロップテントの魅力
ダンロップテントの魅力をまとめてみる。
①風に強い
どんなテントであれ、強風時の設営はかなり大変だと思う。
ダンロップテントがどれほどの風速に耐えられるのか、というのはまだ私には分からないが、私が強風時設営した時は明らかに形が変形して一時心配になったが、結局大丈夫だった。公式では強風対策の工夫も行なっているとの事だ。
ダンロップテントの特徴の一つである「吊り下げ式」という事も、手早く設置出来るので、強風時の設営ではかなり役立っていると思う。
②設営・撤収が楽
「吊り下げ式」なのでパチパチやるだけだ。ポールが内部で分裂してやり直し、という事が無い。
一人でも簡単に組み立てることができる。
他のテントでどれほど時間がかかるかは分からないが、私はいつも(快晴無風であれば)5分程で設営している。
③結露しない
ダンロップテントは結露対策の工夫があちこちでされている。
ちなみに、テント内で食事する場合は換気したりと、自分なりにも結露しない努力はしている。
④頑丈
あと20年は使い続けたい。
使い心地での利点
⑤入り口が広くて出入りが楽
⑥土間が広い
⑦中が広い
⑧グローブを着けていてもある程度設営できる
こんなところだろうか。
重さについて
1,660gである。他のテントより100g程重い。
しかしダンロップテントは公式でもアピールしているように、
「テントが濡れた時の速乾性」が優れている。
テントが完璧に乾いている時というのは初日の昼間くらいまでではないだろうか。
その時点では「重さ」という観点では他のテントには劣ってしまうかもしれない。
しかし2日目、3日目と縦走を重ねていく場合、濡れたテントを背負わなければいけない、濡れたテントを使い続けなければいけない、そんな時はどうか?
「ダンロップテント」の速乾性はかなり生きてくるのではないだろうか。
ダンロップの熱意
最後に、ダンロップテントの公式サイトのリンクを紹介する。
ダンロップテントの、コラム、テントヒストリー、読むと製作者の熱意が伝わってくる。
私にとってダンロップテントは大切な相棒だ。このテントに出会えてよかった。
後20年、一緒に山歩きを楽しみたい。
2021.4.6
ダンロップテントで残雪期雪山テント泊をしてきました。
雪用フライシートは使用せず普通のフライシートを持っていきました。
フライのロープは雪のブロックに引っ掛けます。
本体のロープは細引きを伸ばして同じくブロックに引っ掛けたり、木ペグを地面に埋めて固定しました。(埋めた段階では緩いが翌日雪が固まるので強固なアンカーとなる。)
問題は特に無く、快適なテント泊が出来ました。
山行記録はこちら↓