焼岳・下堀沢BC!恐怖のデブリ地帯を通過
上高地、焼岳の下堀沢でバックカントリーです。
デブリ地帯の通過、気の抜けない山行となりました。
日程 |
2018年3月18日(日) |
目的地 |
上高地〜下堀沢右岸〜焼岳南峰・北峰東南のルンゼ〜下堀沢〜BC |
目的 |
焼岳下堀沢BC |
天気 |
晴れのち曇り |
メンバー |
11人 |
午前7時40分、下堀沢右岸よりシール歩行開始。
日が出ていないため、雪面が少し硬い。
皆スキー板にクトーを装着しますが、私は持っていないので、そのまま進むことに。
8時20分、下堀沢右岸の尾根の取付きに到着です。ここから登りにかかります。
皆、ザクザク進んでいきますが、私はなかなか進まない。
雪が固くて雪の斜面にエッジを効かせるのにもかなり神経を使います。
皆のルートを辿れなくて、自分なりに大きくジグザグに登りますが、時間がかかる。
仕方なく、途中で板を背負いアイゼン装着。急傾斜を直登してスピードアップ。
9時20分、やっとのことで最初の急登をクリア。
その後はしばらくゆるい斜面に。それでも、途中傾斜の急なところが現れます。
エッジを効かせて、一歩ずつ慎重に進みます。
急傾斜に当たるたびに、みんなと距離が離れていく。
皆んなは元気なのに、なぜか私は結構バテ気味です。
10時30分、一休みです。今日は天気がよく気温も高いです。
ずっと厳冬期の気分で、厳冬期装備を用意してきてしまいましたが、必要ありませんでした。ただ一つ失敗したのは飲み物が少なかったことです。
600mlのお茶しか持ってきませんでしたが、この時点で既に残り300mlでした。
11時、やっと下堀沢のドロップ地点まで到着です。
前方には、焼岳の南峰が見えます。その向かって右側のコルからこちらに向かって伸びているルンゼ。ここを詰めて行きます。
先輩から、ここら辺は雪崩れる場所でもあるから、間隔をあけて登るよう指示がありました。その指示に従い進みます。
次第に傾斜が増してきて、またまた皆んなよりもペースが落ちてしまいます。
先輩2人にフォローしてもらいながら慎重に進みます。
天気は雲がかかってきましたが、運動しているため喉が乾く。
一度立ち止まり水分補給、ついに全てを飲み干し空っぽに。
12時15分、ルンゼの途中、やや斜面が緩やかになったところで、私は焼岳ピークを諦めることを先輩に伝えます。先輩も付き合って残ってくれました。
見上げると噴煙が発生しており、かすかに硫黄臭がします。
シャベルでバケツを掘って皆が山頂へ行って帰ってくるまでしばらく待機することに。
すると先輩の無線に上のメンバーから連絡が入りました。南峰と北峰のコルまで到着したが、ここで引き返すとのことです。
みんなが降りてくるのに合わせて、私もスキー滑降の準備を始めます。
13時10分、いよいよドロップ。場所により軽いモナカ雪だったりゲレンデのように滑りやすかったり、雪質がいきなり変化します。私はまだ下手でパラレルなどできないので、ボーゲンで慎重にターンすることによって切り抜けます。
13時35分、下掘沢の滑降。ここも雪崩の危険がある場所なので、お互いの間隔をあけて、休まず通過するよう指示がありました。私は初心者なので3番目にドロップ。
最初こそ、ターンをして楽しんでいましたが、すぐに環境に変化が。
幅の狭い場所を横滑りで滑降すると、広がっていたのはデブリ地帯。
先を行く先輩についていき、私もグズグズの斜面を横滑りで降ります。
横滑りがなかなかうまくいかず、スキーに雪がたまってしまい思うように下れません。
近くの斜面ではカラカラと小さな落石が起こっていて、気持ちに焦りが生じます。
なんども雪面に横たわりながらも、なんとか下まで滑ります。
しかし、そこもまだデブリ地帯の真っ只中。とにかく早く抜けなきゃいけないという緊張感。先輩のシュプールを追って、私も滑降を開始します。
デブリの間のザラメ雪を狙って横滑りやボーゲンを駆使して滑ります。
なぜかこの時になって横滑りのコツがつかめてスムーズに滑れました。
私自身も、とにかくここを無事に抜けなきゃという気持ちから集中モードに。
あれほど疲れていたのが嘘のように、不思議なことに動く気力が湧いてきました。
デブリを避けてザラメ雪の斜面をトラバースするように滑降していきますが、しばらくしてそれも出来なくなりました。
ここからはスキーを担ぎ、徒歩で進むことに。
両サイドからカラカラと小さな落石の音。常に上方に注意しながらとにかく早く歩きました。
14時20分、安全地帯に到着した時はホッと一安心です。
先行していた先輩と一緒に後続のメンバーを待機します。
待っている間も、歩いてきた場所の左右の斜面上方から頻繁に小さな落石。カラカラと音が響きます。音を聞くだけで、怖くなります。
メンバー全員が無事に安全地帯まで到着できてよかったです。
再びスキー板を装着して滑降開始です。
一度、堰堤に阻まれ、ロープを使用しました。
その後は緩斜面での滑降で楽しむことができました。
15時30分、無事に上高地へ下山。
山頂へは行けなかったものの、色々な経験をした1日でした。