アルペンムード満載!奥秩父の名峰・金峰山へ行ってきた 日帰り
奥秩父の金峰山へ行ってきました。
日帰りで行けるにも関わらず、日本アルプスの山々に匹敵する魅力があります。
一泊する時間はないけど、軽いハイキングだけじゃ物足りない。
ギリギリ日帰りできる時間で歩きごたえのある山に登りたい!
ぜひ「金峰山」がオススメです。
今回のルートは瑞牆山荘から金峰山を目指すルートです。
日程 |
2017年6月17日(日) |
目的地 |
瑞牆山荘〜金峰山 |
目的 |
山に行きたい!という知り合いの女性2人にアルペンムードを満喫してもらう。 |
ここを選んだ理由 |
・日帰り出来る |
天気 |
曇り。午後になると完全にガスがかかり景観が見渡せなくなった。 |
メンバー |
3人 |
金峰山について
山へ行くなら、その山について前知識があるとさらに面白みが増すと思います。
金峰山の場所
金峰山(きんぷさん・きんぽうさん)は、山梨県甲府市と長野県南佐久郡の境界にある標高2599mの山です。奥秩父の主脈であり、百名山にも選定されています。
↑金峰山の場所
金峰山の歴史
昔は、多くの修験者に崇拝されている霊山でした。
山梨県甲府市御岳町にある「金櫻神社(かなざくら神社)」の奥宮が金峰山とされています。
昔の人は、ここから金峰山に向けて歩いていたそうです。
「御岳道」と呼ばれるその道、一度歩いて距離を感じてみたいです。
有名な「五丈岩」は金峰山信仰のシンボルです。
「五丈岩」の頂からは「甲斐派美」という水が湧いており、川の源流として人々の生活を潤したそうです。そのため金峰山は耕作の守護神として崇められていました。
水晶信仰もある金峰山ですが、昔は金峰山周辺は水晶の採掘現場でもありました。
今でも、とあるバリエーションルートには天然の水晶がゴロゴロ落ちているとか。
金峰山の花
金峰山は、花の百名山とされています。
今回行ったのは6月。アズマシャクナゲが満開でした。
大日岩の近くのコイワカガミの群落は見ものです。
キバナノコマノツメ
ミツバオウレン
日帰りで金峰山を歩く
早速、金峰山へ出発です。
今回のメンバーは3人です。
2人はスポーツジムの仲間です。日頃マラソンに励んでいて、体力あります。
山へ行きたい!と言われたので私なりに2人が満足出来そうな山を考えました。
今回のルートは、瑞牆山荘から金峰山までのピストンです。
国土地理院地図より
瑞牆山荘からスタート
7:00に瑞牆山荘の駐車場に到着。まだ空きが目立ちます。
7:10山荘前の、有料100円トイレを済ませ登山開始です。
最近トレランも始めたIさん。
56歳とは思えない体力で、ズンズン進んで行きます。
急登をこえると富士見平山荘に到着しました。
砂と砂利の混じった道で、転びやすい道でした。
ここから山頂までは3時間30分です。
Iさん、山と高原地図を読みながら
「大日小屋までは45分だって。じゃあ20分で行きましょう。」
別名・鬼教官です。
この時はまだ知りませんでしたが、この45分は登りではなく下りのタイムでした。
真の登りのコースタイムは60分でした。
小屋番不在の大日小屋
富士見平小屋から大日小屋までは飯森山をトラバースしていきます。
前半は登りがありますが、飯森山のピーク地点を超えた辺りからは下り坂やフラットな道が続きます。
鬼教官、走りだす。
私も登山靴&32ℓザックで追いかけます。
大日小屋に到着しました。
建物自体は登山道を外れて少し下ったところにあります。
小屋内は暗く、人の気がありませんでした。
解放されているようです。山ガールが怖がっていました。
不気味なところです。
小屋の右手にトイレがあります。簡素なボットン便所でした。
鍵もなく、あかりもなく、紙もありません。
ヘッドライトは必須といえます。
水場もありました。
富士見平からここまで約35分。
目標の20分が切れず、まぁこんなもんか。と話していたら、登りの標準は60分であることが判明。
鬼教官、老眼で気づかなかったらしい。(笑)
約0.5掛、このペースで最後まで行けたらかなりスゴイですが、今の私には無理です。
でもいつか歩けるようになったらかっこいい。
ここからは標準ペースに落としてゆっくり進みました。
シャクナゲの群落
シャクナゲがあちこちに。
以前天城山にシャクナゲを見に行きましたが、時期的に今回の方がピンポイントです。
マダム二人も喜んでいる様子。たくさん写真を撮りました。
鎖場もちらほら見え始めます。
Iさんは相変わらずズンズン進んで行きます。
3人の中で一番高齢ですが、年齢なんて関係なしです。
一緒にいて刺激を受けます。
大日岩からの大展望
大日岩付近からの展望は見事でした。目前には南アルプス。
金峰山からの展望、山座同定してみました。
南アルプスは鋸岳から始まり、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳、蝙蝠岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳、上河内岳まで見えます。
白峰南嶺の笊ヶ岳も。
手前には瑞牆山や茅ヶ岳が見えました。
右奥には中央アルプスの空木岳が。空木は山の右側がV字になっているので分かりやすいです。
八丁平方面は、「山と高原地図」では破線ルートとなっています。
瑞牆山へのアプローチとして、八丁平から東尾根を詰めて山頂に至る事も出来るみたいです。一体どんな道なのか、気になります。
今回は、おとなしく「金峰山山頂」を目指します。
ついに稜線!千代ノ吹上
稜線にでるとがらりと景観は変わります。
樹林はなくなり、岩場が現れます。
その分岐点は、「砂払いノ頭」と呼ばれるようです。
(どうせなら「砂払ノ頭」の方がカッコイイ気がします…。)
展望が抜群です。
八ヶ岳、左手から権現岳、赤岳、横岳、硫黄岳。瑞牆山、そして今まで歩いて来た道が見えます。
千代ノ吹上。実に素晴らしい場所でした。
富士山の展望。この写真では魅力を伝え切れません。ぜひ行って欲しいです。
ちょうどU字のような形で両側に迫り出した岩壁。
足元も絶壁です。悪天時は本当に足元から風が吹き上げて来そうです。
行く先に五丈岩らしきものが。
ここからは鎖場の連続です。
危険箇所には新しくて太い鎖は取り付けられていますが、万が一滑らせたら大怪我をする場所はいくつもあります。
油断せず、慎重に進みます。
マダム2人も初めての岩場に驚いていました。
子供がこんなところを歩くなんてありえない!とのことです。
それでも、私としてはアルペン感を味わってもらえたので内心嬉しかったです。
いよいよ金峰山のシンボル「五丈岩」が目前に。
急速にガスがかかり始めます。
おどろおどろしい山容の山を発見しました。
後から調べたら「屋根岩」と呼ばれる場所らしいです。
屋根岩の少し向こうには、「御巣鷹山」があります。
(標高の高いピークに隠されているため見えません)
山頂に到着
10:50山頂付近に到着。
五丈岩、山の頂上にこんな巨大な岩があるとは、不思議です。
登っている方がおられましたが、注目されていました。
私は岩登り未経験者すぎてむしろ簡単そうに見えてしまいました。
岩が段々になってて登りやすそうですが、きっと難しいのでしょう。
五丈岩の広場から少し歩いて山頂標識を確認しに行きました。
結構年季が入っておりました。
富士山も雲隠れ寸前です。
今回の山ごはんは
山頂で写真撮影後、五丈岩を見ながら昼食休憩です。
冷凍うどん、粉末うどんつゆ、小松菜、かまぼこ、天かすでうどんを作りました。
私、何を焦ったのか沸騰する前に引き上げてしまいました。うどん、生ぬるかったです…。外気温も低くて熱々うどんを食べたかったのに、気持ちが盛り下がってしまいました。次回はしっかりあたためなければ。
天かすがイマイチだったので次回は肉類を入れようかと思います。
おやつに、「くるみっこ」をいただきました。
鎌倉にお店があるこのお菓子、美味しいです。大好物です。
1時間ほどの大休止を経て、下山です。
展望の広がる鷹見岩
帰りは鷹見岩に寄り道しました。
「山と高原地図」では破線ルートとなっており、往復で40分との表記でした。
迷っていましたが、ちょうど分岐地点で鷹見岩から戻ってくるご年配の男性がいいところだから行った方がいいと教えてくれました。
行きが15分、帰りが10分とのことでした。
左右のシャクナゲが結構深いですが、道はしっかりありました。赤テープも所々についています。
途中倒木あります。鷹見岩直下は急登も続くので、体力に余裕があれば寄り道することを勧めます。
山頂直下は鎖場。新しくて太い鎖でした。
ほぼ垂直の岩場、もう腕力に任せて登りました。
鷹見岩に到着しました。
今日はすっかりガスっていますが、もし晴れていたらかなりの絶景が見渡せると思います。
かろうじて、ガスの向こうに瑞牆山が見えました。
行き10分、帰り7分の往復17分でした。
富士見平小屋でお茶会
14:30、富士見平小屋まで戻って来ました。
ここにはベンチがいくつもあり、その気は無いのについつい大休止に入ってしまいます。30分程おしゃべりに花を咲かせます。
無事にゴール
15:30、瑞牆山荘駐車場に無事下山しました。
帰りでは駐車場に直行する踏み跡を見つけ、ショートカットに成功しました。
今回のまとめ
今回は、「山に連れてって!」というお二人のリクエストにお応えして
私も初心者ではありますが2人の満足するコースを考えてご案内しました。
2人はマラソンランナーであり体力があります。4時間程度で終わってしまう山では不完全燃焼。日帰りでもそこそこ負荷があり、なおかつ景観が美しい山。
悩んだ末、「金峰山」の瑞牆山荘コースを選びました。
私の期待通り、2人とも大満足の様子で安心しました。
最近、少しずつですが周りに「山に連れてって!」と声を掛けられることが増えてきました。まずは目的を考え、その後にその人のレベルや体力に合った山はどこだろう?と考えるようにしています。
今回は、今後日本アルプスに繋げていくため、「山らしさ」を感じてもらおうというテーマを自分の中で作りました。
しっかり魅力を伝えることができたかと思います。
次はあそこの山に行ったらきっと驚くだろうな。この山なら感動するだろうな。と、頭の中で想像して楽しみになります。(笑)
少しではありますが、山の魅力を広げることができたので嬉しいです。