週末ハイキング日記!- 山の歩き方 -

山の魅力は無限大です。

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危険だけど最高の景色だった!断崖絶壁を行く~秘境・黒部峡谷 下ノ廊下~

f:id:vivid_783:20161001132901j:plainここの場所を知ったのは1年ほど前です。

テレビで紹介されていた「下ノ廊下」

水の色は美しいエメラルドグリーン。そして冒険心をくすぐるようなスリリングな登山道。

魅力的で、楽しそうで、死ぬまでには絶対行きたい!とずっと思っていました。

そうしたら、なんと早々に願いが叶ってしまうことに。

 

2016年2月に入会したばっかりの山岳会。会の先輩に「下ノ廊下」に行くのが夢だと話したら「今年行く予定だよ。」との返答が。

まさか人生の夢がこんなに早く叶ってしまうなんて思ってもいませんでした。

そして待ちに待った当日。

憧れの黒部峡谷は、予想を上回る魅力であふれていました。

 

※今回強調したい事は、

「私は初心者」であることと「熟練の経験者に連れて行ってもらった」ということです。もし自分の力だけでは絶対に下ノ廊下は歩けなかったと思います。

 

▶今回の山旅の概要

今回の山旅は前日夜出発の一泊二日。

天気は曇り。天気予報によると雨となっていましたが、なんとか持ちこたえてくれました。9月下旬、下界の気温はまだまだ暑いですが、渓谷沿いを歩き始めるとかなり涼しかったです。

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国土地理院地図より

 ↑今回の山旅のルートです。

一日目:扇沢駅扇沢ロッジとなっています)」~「阿曽原温泉小屋」

二日目:「阿曽原温泉小屋」~「欅平駅

     ↓

     「欅平駅」~「宇奈月温泉駅トロッコ電車にて移動

 

スマホの万歩計を確認してみると、二日間の総歩行距離が45kmでした。

黒部峡谷は普通の山登りとは違い、アップダウンはほとんどありません。

その代りに、距離がとにかく長いのです。

平坦な道を長時間歩くのもなかなかハードだという事を、今回身をもって実感しました。

 

▶迫力満点の観光放水 黒部ダム

前日の夜、地元を出発し車で約四時間かけて長野県大町市にある「扇沢駅」に向かいます。到着時間は午前0時。明朝の出発に向けて駅で就寝。

車は回送サービスを依頼し、「宇奈月温泉駅」まで運んでもらいました。

朝6:30頃になると、駅も沢山の観光客・登山客で込み合い、切符売り場には行列が。始発でトロリーバスに乗車し黒部ダムまで移動します。

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黒部ダムでは「観光放水」を行っていました。

毎秒10t以上の水が放たれているそう。

天気が良くないため、なんとなく水が濁って見えます。

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今回は、ダム展望台のみからの観光です。

日没までに阿曽原温泉小屋に到着したいので、ぱっと写真を撮影をした後は下ノ廊下に向けて出発しました。

観光は終わりです。ここから先はもう登山の世界です。

 

▶ついに突入!断崖絶壁の下ノ廊下

登山道に入り数十分、周りの景色は次第に変わっていきます。

観光客だらけだった「黒部ダム」とはガラリと変わり、スリリングな登山道が現れます。

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進む程に川から離れ高度を上げていきます。

足元は湿っているため、滑りやすい事この上ない。

写真撮りに夢中になりすぎて、一度滑って転んでしまいました。

序盤のまだ高度の無い場所だったからよかったものの、さらに険しい場所で転び万が一滑落してしまったら、まず命は助かりません。

写真を撮るときは必ず立ち止まる事。

これはかならず守らなければいけないと反省しました。

 

黒部峡谷の絶景3連弾!

危険とはいえ、横を流れる水はエメラルドグリーンでとても綺麗です。

 

歩いていくとまず辿り着いたのは

「白竜峡」です。

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花崗岩の白い岩壁と水の色がとても美しいです。

ここの場所は川幅がグッと狭まります。

急流になっているため水の音もゴウゴウとものすごく、恐怖心も煽られます。

 

黒部峡谷の中で最も有名な「十字峡」です。

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剱沢と棒小屋沢の二つの沢が、黒部川本流と合流している場所です。

三つの川が同じ場所に合流している光景は、なかなかお目にかかることはできません。

十字峡は登山道から分岐して展望台へ行くことができます。ただしだいぶ急勾配なので注意が必要です。

 

たっぷり高度を上げた後に「S字峡」が現れます。

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 その名の通り、岩壁が複雑に入り組んでおり、まるでS字のようになっています。

流れの急な黒部の本流が思いっきり岩壁にあたり、白い飛沫が発生しています。

 

▶もう一つ知ってほしい。日本一すごい発電所

S字峡の付近を歩いていくと、突然建造物が現れます。

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よく目を凝らすと関西電力 黒四発電所とあります。

日本一建設が難しかった水力発電所です。

下ノ廊下のど真ん中に位置するこの建造物。普通に歩くだけでも大変ですが、昔はさらに大変でした。

今よりも整備されていなくて、頼りない道を工事用の資材を担いで運びます。

命を落とす人も多数。工事は困難に困難を極め、その過酷な当時の様子は映画「黒部の太陽」になっています。また「プロジェクトX」でも有名です。

 

▶日本一危険な温泉?!阿曽原温泉小屋

感動と恐怖を体験しついに阿曽原温泉小屋に到着しました。

ここの名物といえば

「阿曽原温泉」

です。小屋の名前にもなっています。

ここは日本一危険な温泉とされています。

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温泉は1時間おきに男女交代、20時以降は混浴タイムとなっています。

 

ここの温泉、写真はありませんが思いっきり屋外です。猿が一緒に入ってきそうな場所にあります。

小屋からは約10分歩きます。サンダルだとキツいらしいので、登山靴を履いて出発。

女子タイムに入りましたが、結構人が居て安心しました。

また、覗かれるような場所でもなく、これまた安心しました。(笑)

石鹸があったので、軽く体を洗い湯船につかります。髪は洗えないのでそのままです。予想外にいい湯でビックリでした。

 

ここの湯は「高熱隧道」という場所から引かれています。

「高熱隧道」は阿曽原谷付近にある160℃を超える高温の岩盤です。

仙人ダム建設の際、トロッコ用トンネルを掘っている途中にこの岩盤に行き当たり、工事が難航したそうです。(仙人ダムの場所は上の地図を参考に)

風呂はこのトンネルにつながる坑口のすぐ隣にあるので引くことが出来るそうです。

 

要するに、阿曽原温泉は何の効果も無いただの水という事になってしまいますが

事情を知るとなんとなく効果が無くても、これはこれでいいんじゃないかと思えてきました。

 

ちなみに混浴タイムの20時以降は真っ暗との事です。

といってもヘッドランプを付けている人もちらほらいるそうなので

暗闇だからって油断していると丸見えらしいです。(笑)

 

▶危険な旅も終わり トロッコ電車に揺られて

 二日目は4時に起床。テントを撤収し5時に出発しました。

まだ外は真っ暗なのでヘッドランプを付けての移動です。

約5時間の歩行でした。

 

そして、ついに「欅平駅」に到着。

懐かしの、観光客でにぎわう地に戻ってきました。

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ここからは観光用の「トロッコ電車」に乗って、宇奈月温泉駅まで移動します。

乗車時間はなんと1時間。15分くらいかと思っていたら意外とたっぷりあります。

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宇奈月ビールで乾杯

私はまだビールの魅力が分からないのでちょっとだけ。(笑)

 

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トロッコ電車から眺める景色。

宇奈月温泉駅からは、業者に回送してもらった車で帰路につきます。

途中、サービスエリアにて夕飯をとり、22時自宅に到着しました。

 

▶まとめ

念願の「黒部峡谷」は期待を裏切らない、魅力たっぷりの場所でした。

 

ただ、「下ノ廊下」はそれなりに山慣れしている必要があると思います。

黒部ダムから阿曽原温泉小屋までは距離が長く、普通の人でも日没ギリギリにつけるかどうかといった具合です。

 

新品の登山靴で、今日が山デビューです!というのはかなり危険だと思います。

 

私も一応、下ノ廊下に備えてジョギングや筋トレを行なっていました。

そのお陰もあってか、今回は余裕を持って歩くことができました。

 

さらに下ノ廊下には逃げ道が一つもありません。

進むにも引くにも、危険な道を歩かなければ行けません。リタイアの決断は序盤でしないといけません。

 

危険いっぱいの場所ではありますが、黒部峡谷はとても綺麗で、歴史も楽しめる素晴らしい場所でした。

本来なら私も「初心者」ですので行けなかった場所です。そんな場所に行くことができて、連れて行ってくれた山岳会の先輩には感謝の気持ちでいっぱいです。