立山 一ノ越〜御山谷〜黒部ダム BC
4月の下旬、立山に滞在してバックカントリースキーを楽しんできた。
まずは私の憧れだった「御山谷」を滑降した。
日 時 2019年4月22日(月)
山 域 立山
目 的 バックカントリースキー
コース
6:50みくりが池温泉ー8:40一ノ越ー御山谷ー10:40黒部湖ー14:10ロッジくろよんー15:00黒部ダム
標高差 1,292m
累積標高 (上り)1,455m・(下り)2,411m(スキー滑降含む)
人 数 2人
天 気 朝のうちは霧、次第に晴れ
みくりが池温泉に宿泊
立山へは前日のうちに入り、その晩はみくりが池温泉に宿泊した。
夜の間は、雨が降り続いた。
一の越へ向けて
翌日、6時からの朝食をいただき、6時50分、宿を出発した。
ヤマテンの予報通り、霧がかかっており周囲の展望は望めない。
しかし、次第に晴れるとの予報だったので、構わず進む。
室堂山荘に到着した頃から、霧が晴れ始めた。
一の越までは、トレースを辿っていく。
トレースは登山者のものであるので、ボコボコに穴だらけであり、スキーヤーにとっては少し歩きにくい。
シールをよく効かせて、斜面をトラバースしていく。
トラバースを終え、一の越に向けて直登を始める。
本日の雪は柔らかかった為、特別苦労することはなかった。
すっかり青空になり、一面に雄大な雪景色が広がる。
これだから、やっぱり山は良い。そしてバックカントリースキーは魅力的なのだ。
一の越に到着した途端、強風が吹き付ける。つい帽子を飛ばされてしまう。
早速諦めモードに入った私だったが、近くで雪かきをしていた一の越山荘の小屋番さんが、気づいてくれて、見事なスライディングで私の帽子を捕まえてくれた。
御山谷滑降
小屋の裏に周り、滑降の準備に入る。
昨年のゴールデンウィークに私は雄山へ登った。その時に、この御山谷に次々と飛び込んでいくスキーヤー・ボーダーを羨ましいと思った。
ついにこの斜面を滑れるのかと思うと、胸が高鳴る。
いよいよ滑降開始だ。待ちに待ったドロップ。
快適なザラメだ。大きくターンを描きながら快適に滑る。
途中で停止し、周りの雄大な景色を見渡す。
やっぱり、すごい。こんな場所で滑れるなんて贅沢だ。
感動を噛み締めながら、なおも滑り続ける。
途中から、雪が重くなってきた。昨日の雨も原因の一つだろうか。
あまり勢いよく滑ると、転びそうだし、疲れるので、控えめに滑る。
御山谷はかなりのロングランだ。休み休み、下降した。
途中から、縦溝が現れ始めた。波打っていて滑りに気を遣う。
ついに沢が現れた。水が轟々と流れている。右岸沿いにひたすら滑る。
黒部湖〜黒部ダム
黒部湖の端っこにたどりつくまでは、スキー滑降を楽しむことができた。
ここからは、シートラーゲンにて進む。
今回、山スキーの難しさをとことん思い知ることになった・・・。
山スキーは、沢登りや岩登りと同じだ。
スキーを楽しむだけではない。登山要素も大いにある、れっきとした「バリエーション」だ・・・。
残雪期は雪とガレのミックスだ。
雪とガレなら、雪の方が格段に歩きやすい。トラバースも、登りも、なるべく雪の上を歩いた。
対して、「ガレ」は怖いものだ。特に踏み跡のないガレなんか、ただの脆い斜面でしかない。足を置いた瞬間にガラガラと足元から崩れてしまいそうだ。
止むを得ず歩かなければいけない時は細心の注意を払った。
板を背負ったり、履いたり、忙しかった。
やっとの事で到着したロッジくろよんは、なんとまだ休業していた・・・。
小休止を挟み、黒部ダムに向かって出発する。
ここからはかなり快適だった。
そして、ついに黒部ダムに到着した。
今回のまとめ
今回は、御山谷滑降から、その後が大変だった。
渡渉自体はさほど問題無かったが、ルートファイティングが難しいと感じた。
結果的に、かなりの時間を費やしてしまった。
ここで改めて、バックカントリースキーの難しさ、奥深さを感じた。
私にとっての山スキー(バックカントリースキー)の最初の印象とは、ゆるい斜面を登って、ゆるい斜面を滑るものだと思っていた・・・。
しかし、蓋を開けてみれば、ガッツリ登山じゃないか!
「登山」だから、スキーの技術だけでは不十分だ。登山の技術を高める必要がある。
山スキーなどのバリエーションは、「登山道」が無い場所を行くのが前提だ。
決まった道などない。その時の状態によって、最善のルートも異なってくる。
最善のルートさえも、シビアで危険である可能性だってある。
そんな状況でにっちもさっちも行かなくなってしまったらとても恐ろしい。
無事に切り抜けられる実力。その上で、そういった状況をなるべく回避する為の知識や能力を身に付けたいと思う。
今後も、登山の「総合的な能力」を身に付けていけたらと思う。